8種類のプロダクトがもつ魅力や可能性を最大限引き出しつつ、時代にあったブランドデザインを『Cloud CIRCUS』

【デジタルクリエイティブの発想術】

8種類のプロダクトがもつ魅力や可能性を最大限引き出しつつ、時代にあったブランドデザインを『Cloud CIRCUS』

【クライアント】スターティアラボ株式会社 × 【クリエイティブ】株式会社エードット

最近よく見るサービスや、気になるプロジェクト、話題になったリブランディングなど、どのように発想し、アウトプットをしているのでしょうか?「デジタルクリエイティブの発想術」では、気になるクリエイティブを担当した会社と、クライアントにインタビューをおこない、ヒントや、テクニックをご紹介します。

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スターティアラボ株式会社
マーケティング室長 石田拓巳様

〒163-0919 東京都新宿区西新宿2-3-1新宿モノリス19階
代表取締役:北村健一
事業内容:WebアプリケーションやWebシステムの企画・開発・販売・保守

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株式会社エードット

〒150-0046 東京都渋谷区松濤一丁目5番3号
代表取締役社長: 伊達 晃洋
事業内容:戦略立案コンサルティング、ブランディング、デザインクリエイティブ、UIUXデザイン、広告PR

課題【バックグラウンド】

2006年から開発・販売してきた自社プロダクトを、時代のニーズにあわせてリブランディングしたい

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−『Cloud CIRCUS』について教えてください。

(石田)『Cloud CIRCUS』は、顧客を増やす5つの課題領域を実現するSaaSツールです。CMS(コンテンツマネジメントシステム)MA(マーケティングオートメーション)AR(拡張現実)など、8種類のデジタルマーケティングツールをラインナップとして揃えています。初めてデジタルマーケティングに取り組むときでも、誰でも簡単にすぐ始められるのが特徴です。

『Cloud CIRCUS』
https://cloudcircus.jp/

−なぜ、リブランディングを依頼されたのですか?

(石田)当社は、デジタルマーケティングツールを2006年より開発・販売しています。『Cloud CIRCUS』は、それらデジタルマーケティングツールのプラットフォームとしてリリースしました。しかし、『Cloud CIRCUS』の認知は、思うようには進みませんでした。そのため、現状分析と戦略の再検討が迫られました。当社にとってプロダクトは、成長戦略の根幹となります。今後を見据えて、必ず乗り越えるべき課題でした。まずは、現状分析のため、さまざまな調査をおこなったのですが、以下2点について明確な課題が判明しました。

●それぞれのプロダクトに比べて、『Cloud CIRCUS』のブランド認知度が極端に低いこと
●あわせて『Cloud CIRCUS』の検索容易性が低いこと

8種類のプロダクトが、それぞれ別ブランドとして認知されていると、営業上、クロスセルがおこりにくい状況となります。これは、営業課題としてLTV(顧客生涯価値)に直結する重大な問題でしたので、『Cloud CIRCUS』と8種類のプロダクトのリブランディングが、必要であることは明白でした。
また、約50%の顧客は、Webサイトで有用な情報を収集した上で、会社にコンタクトをすると言われています。検索容易性が低いことは、営業的に大きな影響を与える状況でした。

解決方法【アイディア】

ファミリー・ブランドとしてロゴのレギュレーションを統一することで、多様性をもった魅力なプロダクト群へ

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〜ファミリー・ブランドとしてレギュレーションを設定し、8種類のプロダクトをあわせてリデザインする〜

(エードット)スターティアラボ様より、今回のリブランディングのご相談を受けたとき、『Cloud CIRCUS』のもつポテンシャルに可能性を感じました。デジタルマーケティングのSaaSサービスとして、MA(マーケティングオートメーション)やAR(拡張現実)、電子ブックなど、他社にはない独自のプロダクトも差別化できており、大変魅力的でした。ただ、その反面、長い年月をかけて8種類のプロダクトをリリースし続けていたため、デザインレギュレーションに統一性がない状況でした。

まずは、8種類のプロダクトをそれぞれ役割や関係性を整理し、上位に象徴するファミリーロゴを設定しました。『Cloud CIRCUS』を、ファミリーロゴとして位置付け、8種類のプロダクトをあわせてリデザインしました。プロダクト単体それぞれではなく、『Cloud CIRCUS』としてまずは認知してもらえるファミリー・ブランド戦略が、重要だと考えたためです。

〜いまの時代にあった、デジタルマーケティングのSaaSサービスらしいデザインに〜

(エードット)もうひとつの課題として、デジタルマーケティングのSaaSサービスらしく、いまの時代にあったデザインにすることが、必要だと考えました。最先端のSaaSサービスであることをわかりやすく伝えるために、デジタルらしさをデザイン上で明確にしました。RGB起点でカラー設計をおこない、円を重ねた重層感や、透過によるクリア感でデジタルらしさを演出しました。

スターティアラボ様のプロダクトロゴは、すべて動物です。これは、プロダクトの多様性と、プロダクトを親しみもって楽しく簡単に利用してもらいたいという思いから引き継がれてきたそうです。これらの動物たちに、いまの時代にあったデジタルの表現を加えたことで、ヒューマンテックを連想させる、どこかあたたかみのあるデザインとなりました。リブランディングを通して、プロダクトの持つ潜在的な魅力や、可能性が、以前より、まとまりをもって一瞬で伝わるようになったかと思います。

作業工程【ワークフロー】

クライアントでの事前準備がポイント!プロジェクトチーム内の認識をあわせてから、依頼をすることが重要


−どのようにプロジェクトを進行したのか、過程をふくめて教えてください。

(石田)
このプロジェクトは、約5ヶ月程度かかりました。あくまで、わたしの経験からですが、対象プロダクトが多いにも関わらず、大変スムーズな進行だったと思います。エードットさんを信頼してお任せできたからだと思います。プロジェクトの過程は、以下の流れになります。

【1】リブランディングの方向性
リブランディングを依頼する前に、社内でプロジェクトチームを発足し、現状課題や方向性について、ワークショップを通じて話し合いを重ねました。プロジェクトチーム内の認識が揃ったことを確認してから、次ステップへ進みます。

【2】ブランドマネジメント戦略
ブランドマネジメント戦略を決めます。ブランドKPIを決め、効果測定の方法を明確にし、今後のロードマップを作成します。

【3】ブランド戦略
企業理念や使命をコンパクトな文章にまとめたブランドステートメント、ブランドデザイン、ブランド体験設計をそれぞれ準備します。

【4】ロゴとメインビジュアル作成
ブランド戦略を表現するために、ネーミング、ロゴ、BIデザインを作成します。ブランドをより的確に伝わりやすく表現できるように、様々な視点からの検証を繰り返し、議論を2ヶ月程度重ねました。

【5】ブランド実装
WEBや広告をはじめとした各メディアと、ツールへの実装をおこないます。

【6】社内説明会の実施
リブランディングの社内お披露目です。リブランディングの背景や、アプトプット内容を会社全体へ伝えるため、ZOOMで社内説明会をおこないます。エードットプロデューサーや、アートディレクターも同席し、会社全体で、より理解を深めました。

【7】リリース
無事リリースとなりました。リブランディングの事前準備に2ヶ月、リデザインに約3ヶ月、合計5ヶ月かかりました。通常のリブランディングは、1年など時間をかけることもよくあるので、かなりスピーディーな対応となりました。リブランディングの方向性や、マネージメント方針を事前に明確に可視化したことで、スムーズかつ、洗練されたアウトプットをつくりあげることができました。

結果【クリエイティブ視点:株式会社エードット】

リブランディングで重要なポイントは、クライアント、クリエイティブそれぞれの役割を明確にすること

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(エードット)
当初より、自社サービスの理念や、抱えている課題をすでに明確にされていて、わたしたちは、ブランドデザインに意識を集中することができました。 クリエイティブのプロジェクトを成功するために重要なことは、クライアントとクリエイティブの役割を明確にし、それぞれがプロフェッショナルとして役割をまっとうすることです。

クライアントは、自社や自社プロダクトについて誰よりも深く理解し、一定の言語化をおこなうこと。クリエイティブは、潜在的な要素も含み、デザインへアウトプットをすることです。わたしたちの役割は、クリエイティブの力で、クライアントの考えや戦略を形にすることです。

スターティアラボの場合、理念や課題の言語化は進んでいた反面、デザインレギュレーションに揺らぎがあり、8種類のプロダクトそれぞれでロゴデザインを作るなど、ばらつきのある印象でした。デザインルールを統一することで、ブランドに対する安心感が生まれます。ブランドへの安心感が高まると、信用できるブランドとして、購入意欲へと結びついていきます。

結果【クライアント視点:スターティアラボ株式会社】

リブランディングにより、まずは社員自身がコアなファンとなり、ブランドの熱量を伝えていく

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(石田)
リブランディングをした結果ですが、デジタルマーケティングサービスであることが、初めてサービスを見たひとたちにも、大変伝わりやすくなりました。SaaSサービスであるトレンド感など、ブランドの狙いが、わかりやすくなりましたね。また、洗練されたロゴデザインから、サービスへの期待感も一気に高まったかと思います。

まだ、リリース直後ですので、明確なビジネス成果は、まだ見えていないのですが、直後から、社内より前向きな意見が集まりはじめました。リブランディングで大切なのは、社員自身、ブランドのコアなファンになることです。ブランドへの熱量が、社員を介して、世の中へしっかりと伝わっていくからです。

いまは、指原莉乃さん出演のテレビCMをはじめ、ブランドコミュニケーションのフェーズに入りました。リデザインだけで終わりではなく、戦略的な認知活動が、今後重要です。これからは、会社全体でブランドを育てていき、ブランド認知を世の中へ広めていければと思っています。

【まとめ】

リブランディングの役割は、そのブランドの潜在的な魅力を引き出した上に、ブランドの課題を解決すること

リブランディングの役割は、そのブランドの潜在的な魅力を引き出した上に、ブランドの課題を解決することです。リブランディングは、ただデザインのブラッシュアップをすることではなく、事業戦略を支え、営業戦略をサポートすることも可能です。より良いリブランディングを実現するためには、クライアントとクリエイティブそれぞれの役割をしっかり分けて、課題に取り組む必要があります。クライアントでは、できる限り課題や実現したいことを明確にする努力が必要です。

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