リニューアルはゴールではない-成功するWebサイトの「目的」の定め方

制作会社インタビュー

リニューアルはゴールではない-成功するWebサイトの「目的」の定め方

マザー株式会社 企画部 上澤 哲也

Webサイトの新規制作やリニューアルを検討する際、「問い合わせを増やしたい」「認知度を高めたい」といった目的を持たれている方も多いのではないでしょうか。一方で、制作したものの「どうやって活用すればよいかわからない」と悩んでいる方も少なくありません。

「成功するWebサイトは、明確な目的を定めて運営しています」と語るのは、マザー株式会社でWebサイトの企画・提案から運用までワンストップで担当する上澤哲也氏。企業がWebサイトを構築し、さらに運営するうえで大切なコトを伺いました。

「競合がやっているから…」だけで始めると失敗する

Webサイトを制作する目的は、会社ごとに異なります。その目的が最初から明確に定まっているか否かで、その後のWebサイトの運命が決まると上澤氏は語ります。

マザー株式会社 上澤 氏

「先日も、Webサイトのリニューアルを希望されているお客様から『とりあえず5年経ったので新しくしたい』という要望をいただきました。デザインや情報を新しくすることを『目的』と捉えがちですが、リニューアルは目的ではなく『手段』なんですよね。目的とは、リニューアル後に何を達成するかということであって、ここを明確に定めていないと無駄な投資になってしまいます」

こうした依頼に対して上澤氏は、目的が曖昧なうちはWebサイトを制作しない方がよいとアドバイスすることもあるそうです。

特に最近多いのが、SNSを使ったWebマーケティング。無料で使え効果も期待できることからSNSを始める企業も多いですが、漠然とした理由で始めると失敗すると警笛を鳴らします。

マザー株式会社 上澤 氏

「よくあるのが、『競合がやって成功しているから、うちもインスタをやりましょう』と漠然とした目的で始めるケース。目的がないので施策も立てられず、結局何も得られないといった失敗談は、よく聞かれます。目的が明確なら、インスタグラムで効果があるのか、どの施策が正しいかなどの判断ができますし、無駄な投資をしなくて済みます」

ユーザー視点で「面白い」をコンテンツに

目的を定めても、その効果が実感しにくいのもWebサイトの特徴です。たとえば、「売上をアップする」という目的を定めても、ECサイトであれば目に見えて実感できますが、ブランディングサイトだと効果を測定しにくいという一面があります。

そこで重要になってくるのが、KPIの設定です。

マザー株式会社 上澤 氏

「Webサイトでは『どんなKPIを達成すれば売上が上がるか』という視点でコンテンツを考えることも大切です。結局、リニューアルしただけで売上がアップするわけじゃありませんので、目的を達成するためのKPIを設定し、Webサイトの活用法をお客様と話し合うことが重要だと思います」

コンテンツを制作する際には、クライアントの競合優位性をいかに伝えるかを上澤氏は心がけています。

「コンテンツは、一般ユーザーが見て『面白い』と感じる部分にクローズアップして作るようにしています。特にBtoB企業は具体的な業務内容も一般ユーザーに伝わりにくい。お客様の話を聞いていると、『何それ?』って思うことが多々あります。社内では常識でも一般ユーザーには知られていないネタが、面白かったりするんですよ。

自分が面白いと感じたことをコンテンツにして提案するのも、Web制作会社の仕事。お客様が持っている素材を、どのように料理していくかが、私たちの腕の見せどころです」

担当者が代わる会社・代わらない会社の違い

上澤氏が所属するマザー株式会社には、営業社員がいません。ディレクターが上流から運用後までをトータルで対応している点がこちらの特徴でもあります。

大手のWeb制作会社になると、営業、プランナー、ディレクター、運用など役割分担しているところもありますが、上澤氏は一気通貫できる現在の仕事のほうが肌にあうと感じているようです。

「実は、マザー株式会社を一度辞めたことがあったんです。もう一旗揚げようと思っての転職でした。転職先は代理店経由で案件が紹介される制作会社。大型プロジェクトもありました。1案件あたりのボリュームが重いため、複数の担当者が仕事を細分化して進めるのですが、それが私の肌にあわなかった。一人では対応できないことはわかるけど、結局自分はどこを仕事しているのかを見失ってしまうんです」

マザー株式会社 上澤 氏

役割分担されている制作会社では、社内の連携が重要です。クライアントの課題や要望はもちろん、コンセプトなども共有したうえで引き継がなければ、お客様の不満につながることもあります。

転職先ではクライアントと直接話すこともなく、仕事に違和感をおぼえるようになった上澤氏は、再びマザー株式会社に戻ります。

「お客様と密にコミュニケーションを取りながら、上流から運用まで一人で対応できる。それができるマザー株式会社のほうが、私の肌にはあっていました。社員の数も、今くらいがちょうどいいですね。多すぎると役割分担されるでしょうし、逆に少ないと大きな案件で対応できなくなる。私にはちょうどよい環境は、ここにあったんです」

マザー株式会社 上澤 氏

これからのWebサイトは更新性が肝に

企業がWebサイトをリニューアルする期間は、年々長くなっているようです。Web制作会社の視点でいえば、リニューアルまでの期間が長くなれば売上にも影響が出てくると予想されます。こうした風潮のなかで、上澤氏は運用にどれだけ重視できるかがWeb制作会社のポイントになってくると語ります。

「以前は3年に1回がリニューアルのタイミングといわれていましたが、現在では5年に1回あれば多い方です。そうなると、CMSなどの更新しやすいWebツールで構築し、Web制作会社がいかに関わっていけるかがポイントとなるでしょう。

ただ、これは当然の流れかもしれません。制作会社の人間で言うのもなんですが、リニューアルしたサイトが必ずしも目的を達成できるとは限りません。むしろ、公開後に運用していき、あらゆるデータを解析しながらよりよいサイトに更新し続けることのほうが大事だからです」

更新性に長けたツールと、運用面に強い制作会社を選ぶことが、結果的にコストパフォーマンスが高く、クライアントにも制作会社にもメリットのあるWebサイトが作れるのかもしれません。

そのうえで、制作会社を選ぶ際には提案力を見極めることも大切だと上澤氏は語ります。

「お客様の言われた通りに作るだけのWeb制作会社は、注意が必要です。代理店経由の制作会社に多いのですが、代理店はお客様のYESマンになりがちです。お客様と直接コミュニケーションを取りながら進めている制作会社だと、ユーザー目線でいろいろな提案をしてもらえる可能性が高いですし、運用でも頼りになるパートナーとして重宝するでしょう」

マザー株式会社 上澤 氏

上澤 哲也

マザー株式会社 企画部

上澤 哲也

1980年7月生まれ。長野県出身。趣味:献血(115回 ※取材当時)。
大学卒業後、SIerを経てメンバーズ(株)に入社。大手ポータルサイトのディレクションを経験した後、マザー(株)にディレクターとして入社。知見を広げるため別会社へ転職後、再度マザーへ復帰。大手企業を中心とし、様々な規模のウェブサイトのコンサル・企画・設計・構築・運用まで一貫してマネジメント。

マザー株式会社

マザー株式会社

設立:1989年6月
拠点:東京・名古屋・大阪・福岡
東京オフィス 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-11-10 PMO日本橋茅場町2F
代表取締役:八十住 孝
事業内容:Webコンサルティング、Webサイト制作
URL:https://www.mother.co.jp/

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